Feature特集
カーボンニュートラルな家具用仕上げ材、ファニチャーリノリウム
ファニチャーリノリウム(furniture linoleum)は1年草の植物や樹木から作られる天然素材。
机、椅子、スツール、キャビネット、ドア、ディスプレイなどに使用される家具用仕上げ材です。
無垢材と同じような温かみがあり、マットで柔らかい質感は書き物の際に心地良い筆圧感を与えてくれます。
抗菌・抗ウイルス・脱臭効果があるのも特徴の一つです。
そんなファニチャーリノリウムがどのように作られているか知っていますか?
ファニチャーリノリウムは、亜麻の種から取れる亜麻仁油、松の木から採取できるロジン(松脂)、石灰石や天然色素、それに計画植林された森から伐採される木材から出る木粉を使用しています。
これらを練り合わせて乾燥させることでファニチャーリノリウムは作られています。
この自然界に悪影響を与えることなく作られる表面材が、結果として完全に持続可能なサイクルを生み出しているのです。
持続可能な生産・消費サイクル
ファニチャーリノリウムはカーボンニュートラルを達成しています。
原材料となる植物は光合成によりたくさんの二酸化炭素を吸収し、製品製造時に排出される二酸化炭素量を上回ります。
〈二酸化炭素排出量〉
ファニチャーリノリウム:-0.2590kg/㎡
2018年に米国第三者機関にてライフサイクルアセスメント(LCA)より認定
※ライフサイクルアセスメント(LCA):製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取/原料生産/製品生産/流通・消費/廃棄・リサイクル)、またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法
工場では再生可能エネルギーを使用し、製造工程で排出される端材は製品に再利用しています。
また生分解性があるため、埋めると自然の草木と同じように土に還ります。
持続可能なファニチャーリノリウムを使用することで地球上の二酸化炭素削減に貢献できるのです。
カーボンニュートラル達成の背景
ファニチャーリノリウムはオランダで150年以上の歴史を持つフォルボ社(Forbo)によって発明されました。
リノリウムは天然素材を使用していることからコストを抑えるのが難しく、製造工程でも手間と時間がかかるという難点があります。
しかしフォルボ社は創業当初から一貫して"よりよい環境づくり"をテーマに、地球環境に最大限配慮したサスティナブルな製品を開発、販売し続けてきました。
2000年には業界で初めて第一回ライフサイクルアセスメント(LCA)をオランダのライデン大学環境科学研究所で実施。
それ以来、フォルボ社は環境への影響を分析するノウハウを蓄積し、その経験を活かしながら製品、製造技術を進化させてきました。
人の身体にも自然にも優しい製品づくりに徹底的にこだわった結果、カーボンニュートラルを達成したのです。
現在、エコロジー意識が高いヨーロッパではファニチャーリノリウム以外にも、床材のマーモリウム(marmoleum)や壁面材のブルテンボード(bulletin board)といったリノリウム製品が広く親しまれています。
環境問題への意識が高まる中、カーボンニュートラルを達成しているリノリウムが改めて注目されています。
ファニチャーリノリウムを暮らしに取り入れる
ファニチャーリノリウムはオフセットなしでカーボンニュートラルを達成しているサスティナブルな材料。
マットな質感と優しい色合いのカラーバリエーションは、家具や雑貨に温かみのある印象を与えてくれます。
+iimonoではリノリウム素材を使った家具の他に、材料そのものも取り扱っています。
ファニチャーリノリウムはカッターで簡単にカットができるので、テーブルの天板やスツールの座面に貼ったり、小物雑貨の面材に使ったり、DIYにも最適な表面材です。
リノリウムに関する情報や施工事例は+Linoleum特設ページでも紹介しています。
環境に配慮した選択肢として、リノリウムを暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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